2013年7月1日月曜日

私の居場所


五十年程前、ハンドバッグの専門店を父が創業しました。
物心ついた頃には、いつも、革のバッグが身近にあり、
特に何も感じない、家族のような存在。

私は、絵を描いたり、何かを作ったりするのが大好きな子供でした。
それなりに夢もあり、自分の未来を思い描いていたところ、
家業を継げと諭され、この道に入ったのです。
本意ではなかった為、毎日毎日仕事が嫌で仕方ありません。
夢の為、県外に行った友人達の事を羨ましく思う一方、
自分の置かれた立場を恨んだりもしました。
自分の仕事が嫌いなまま、三年程経ったある日、
いつものように一つひとつバッグを磨いていると、
突然、指先から掌に触れた革の質感と、独特の香りに、
電気が走ったような衝撃を受けました。
「これは、私の天職かも知れない」
どこからともなく、そんな心の声が聞こえたような気がして。
その瞬間から、私は、今の仕事が大好きになったのです。
もちろんバッグ(革)も、特別な存在へと変わりました。

それまでは、夢や目標が奪われたと勝手に思っていたけれど、
夢や目標って、与えられたり奪われたりするものではなく、
自分自身で探して、見つけていくものなのですね。
そうして、少しずつ自分を創っていくと言うこと、
今は分かる歳になりました。
お店の名前でもある「創作屋」は、父が付けたもので、
そう言う意図があるかどうかは、改めて聞いた事はありません。
ただ、デザイナーやアーティストと呼ばれる人だけが
「創作」する人間なのではなく、
誰でも自分自身を「創作」していくもの。個性を大事に輝いて欲しい。
と言う願いが込められているのだと、
私なりに理解しています。(違うかもしれませんが)

等身大の自分である為に、今のお店では、
自分で絵を描いてディスプレイしたり、
什器も、作れるものは作ります。
小さい場ではあるけれど、
私なりに幼い頃の夢は叶っていると感じています。

これから、お店にいて思う事、革バッグ・小物のお手入れ方法や、
自分らしい飾り方等を、楽しく紹介していこうと思っています。



以上、今朝の新聞記事の原文です。(笑)
文字数内にまとめるって、思った以上に難しかった〜^^;
デザインやってる方が気が楽だよ・・・。

記事を読んで、カボチャとトウモロコシ持って駆けつけてくれた
親戚のおばちゃん、ありがとう(笑)
メールくれた先生方、ありがとうございました。
そして、記事書いたにも関わらず・・・新聞取ってない私に、
わざわざ新聞持って来てくれた、みきちゃん、Thank you


SOSAKUYA Miyazaki Guest House   Hiro