2013年10月30日水曜日

私だけの宝物


店内にお客様のお子さんが数人集まると、決まって始まるのが「かくれんぼ」や「鬼ごっこ」。「お店の中だから暴れちゃダメ」とお母さんに諭され、先日、子どもたちが始めた遊びは「宝探し」でした。
 小さな紙切れを「宝物」と言って、椅子の下やカーテンの陰に、そっと隠します。叱られまいと気を使いながら、一生懸命探す姿は、とてもかわいらしいものでした。
 バックにも「外観がシンプルな作りなのに、裏生地に小さなかわいいポケットが付いている」というような発見があると、宝物を見つけた時と同じ様にワクワクします。
 ベーシックなデザインなのにステッチワークが絶妙だったり、外側は柄物で、バックを開けると裏生地が目の覚める様な紫のベルベット、といったどこかに一つこだわりがあるバッグや小物は、それだけで特別な気持ちになれると思います。
 一目見て斬新なデザインで、素晴らしいものもたくさんありますが、いつも一緒に過ごすバッグや小物は、素材・縫製・デザインが上質なのはもちろん、どこか一つ自分だけのこだわりポイントを探すことが、毎日楽しく持ち使いこなすコツかもしれません。
 閉店後、掃除をしていると、小さなコインケースの下に、「宝探し」するために小さな手でちぎられた紙切れを一枚見つけました。この紙切れを「宝物」だと思う素直な感性を大人になっても無くさないように、自分だけの小さな宝物を日々探していけると良いな…と「紙切れの宝物」を見て何だかうれしくなりました。




自分のお気に入りのモノになるのかどうかと言う線引きは、
すっごく小さい拘りだったりします。
誰にも見えない部分であることは勿論ですが、
買ってしばらくして発見し、その瞬間から「お気に入り」が
「超お気に入り」になることもしばしば。

子供の頃のお気に入りで覚えてることと言えば・・
直ぐ上に姉が居たため、洋服なんて全てお下がりが当然だった時代に 、
初めて「自分の為だけ」に買ってもらったジャンバースカートだった。
なんてことないフツーのデザインだったけど、
ミシンステッチが・・なんと!「レインボーカラー」笑
初めて学校に着て行った日。
(小6のくせに)皆が自分を見てる様な気がして恐ろしかったのを覚えてます。
あの時、なんで両親は私に服を買ってくれたのだろう・・・。
未だに謎です。



かなり話がそれましたが、
誰でも自分の中に「宝物」を持っていると思うのです。
形の無い大事な宝物を。
目に見えないからこそ、探す楽しみがあると思うし、
見つけるまでの過程にこそ、深い意味があるのだと思う。
いくつになっても、自分だけの「宝物」を探し続けたいですね★

 

創作屋 宮崎Guest House Hiro.


手間ひまかける愛情


お店に居ると、外に出る事はできませんが、さまざまなお客さまに、多くの「教え」を頂くことがあります。
先日、父の代からの長いお付き合いのお客さまが、秋の味覚「栗」を使った渋皮煮を持って来て下さいました。

小さく硬い栗の皮をひとつひとつ丁寧にむく作業だけでも大変なのに、完成品がきれいにトレーに乗せてあり見た目にも美しいのです。優しい甘さと作った労力を思うと、とても有り難く大切においしく頂きました。
 「手間ひまを惜しまない」と言うのは、お料理だけでなく、いろいろなことに重ねられます。もちろん、バッグや小物のデザイン・縫製にも言えることです。見た目に美しいものを、ただ「観賞」するのではなく、じっくり味わい「鑑賞」することこそが、革=生き物への敬意だと思いますし、ただ使いにくいからと言って、すぐに飽きない秘訣ではないでしょうか。

 芸術でもなんでも、創り出すと言う労力の根底には、必ず何かしらの思いや願いがあるように思います。逆に、そう言う精神性の無い"モノ"は、見る人、聞く人、全てにおいて響かないですし、喜びとして残らないものなのでは…と。

 ひと口頰張ると、口いっぱいに優しい甘さの広がるお菓子のように、手間ひまを惜しまずに形になった"モノ"たちには、それぞれの味わいがあるもの。
おいしいものを食べて「口が肥える」、良いものを見て「目が肥える」と言うように、良いものにふれて「手が肥える」ごとに、じっくりその良さを味わっていただきたいと思います。




*栗と一緒に写っているクチガネコインケースは、
京都浪速屋「たとかーふ」シリーズのモノ。
友禅染メッシュと箔かけの革。手間ひまかけた愛情を感じます^^
*そしてちなみに・・
コインケースをのせてる器は、ムスメ作。
画像では分からないようにしてますが、
お皿一杯に自分の名前がデカデカと書いてある。・・自由奔放さを感じます。笑




栗の渋皮煮なんて、一年に一度食べれるかどうか・・・
大好きだけど、到底作る気にはなれないし、作ったとしても成功する気がしない。苦笑
差し入れて下さった濱田さんは、昔から「有言実行」の方。
以前、社交辞令なんて大嫌い!と言う話で盛り上がりましたよね〜^^
本当に楽しいひと時でした。
いらっしゃると、楽しいお話を聞かせて下さったり、
時には、面白くもない私の話に耳を傾けて下さる忍耐の方でもあります。。

お客さまに笑顔になって欲しいと思っているのに、逆に元気をいただくことの方が多かったりして。申し訳なく思いつつも、いただいた元気を活力に変えながら、私が笑顔で居ることでお返ししたいと思っています。

濱田さん、本当にありがとうございました&ごちそうさまでした★
全部一人で食べました!笑






2013年10月26日土曜日

制作中


いつものことですが、なかなか更新できず。汗
制作漬けの毎日です。。

画像は、制作中のモノの一部。
葉っぱを切り抜いたり、イラストで描いたり塗ったり貼付けたり・・
少しずつ形になっていく作業は、神経使うしキツいけど、
やっぱり・・好きなことだから楽しいです^^
(バッグ画像を楽しみにしている方には申し訳ないのですが)


10月も終わりに近づき
そろそろ年末の予定等立て始めている方も多いのでは?
何かを終わらせたり、新しいことを始めたり、
自分を変えるには良い季節。(←良い方にね)
少し立ち止まって振り返り、
改めて見詰め直し、一歩進む。
何事も、目に見えない様な小さな積み重ねで変えていくモノなのだと思います。

秋の深まりと共に
皆様の毎日が、充実した日々でありますように。


SOSAKUYA Miyazaki Guest House   Hiro.


2013年10月16日水曜日

手ぶらを楽しむ


お休みの日にもなると、あちこちで運動会の歓声が聞こえます。
ひたむきに頑張ってる選手らには、両手で精一杯の拍手をおくり応援したいですし、
一生懸命応援する事で、瞬間の感動を分かち合えた様な気持ちにもなれるものです。

だからこそ、スポーツ観戦を楽しむ時には、
出来れば・・バッグは持たず、手ぶらで応援したいですよね。
肩にかけるショルダーバッグはもちろん、
ウエストバッグ、ボディバッグ、リュックサック等、
年齢性別を問わず、アクティブに持ちこなせるものも、
進化しながら沢山出てきています。
デザインも素材も様々ですが、選ぶ際にしっかり見ておきたいのは、
本体とベルトの接続部分。
取り付けが甘いものは論外で、縫い目や金具使いで粗さの目立った物も問題です。
そして、どんなタイプのモノでも、ただ見るだけでなく、
実際に持ってみて自分の姿を鏡に映してみて頂きたい。
お友達と一緒であれば、持ってもらって客観視してみるのも良いと思います。
第三者目線でみる事によって、全体のバランスや、バッグのラインを再確認できます。
そして、柔らかい素材であればある程、中に私物を入れてみて、
重みや肩当たりを確認する事もオススメです。
財布、鍵、携帯等の貴重品、ポーチやハンカチといったものの上に、
スポーツ観戦にはデジカメも必須。
ウォーキングであれば、水分補給のペットボトルも必要かもしれません。

必要最低限をコンパクトにまとめ、持つ事にストレスを感じないようにして、
自分の最高を、演技・表現・競技しているアスリート達に、
思いきり大きな声援をおくってあげたいと思います。




画像は、先週のフェア中にいらしたお客さま^^
「えーー!良いの?良いの?新聞載るの??えーーー!」
と、大盛り上がり(笑)
お二人とも、リュック&ショルダー、とーーーってもお似合いです★
ご協力、本当にありがとうございました。

2013年10月10日木曜日

深い黒

michiamo
soft-kip

上質のキップを使った円形の薄マチハンド。
吸いつく様な繊細な手触り、妥協を許さず鞣し上げた深い深い黒。
熟練の技が光るステッチワーク。
全ての箇所に、丸いカットを施した、デザイナーの拘りもステキです^^

書類も入るサイズなのに、薄マチだからお出かけでもOK★
革のみのシンプルデザインだからこそ、
拘り抜いた素材&デザインで、個性を演出してみて欲しいです。 





って・・バッグ記事書くの久しぶり(笑)
今日は久しぶりに良いお天気だったので、
店の隅っこに、ミニミニスタジオ作って撮ってみました。
ディスプレイしたまま撮ると、拘りの黒色が別物になって・・
このバッグの価値が台無しになるので。ライトの反射なんて論外。

そうして・・
バシバシ撮ってるところにお客さまがいらして・・
「わー!すごい格好して撮ってるんですね」と。笑
はい。
その時、膝立てたまま床に寝転んでました^^;(ハハハ)
「でも、楽しそうですね〜」
はい!
カメラは私の恋人なんですもん〜♪チュ★

2013年10月9日水曜日

エレガント(Elegant)でありたい。


「クラシックが聞こえてくる様なエレガントな店にしたい」
まだ私がこの仕事に就いて間もない頃、創業者の父が言った言葉です。
お店で流すBGMの事ではなく、全体の雰囲気の事なんだろうな・・
当時は、漠然としか理解できずにいました。

エレガントなバッグと言うと、
黒いバッグを思い浮かべる方も多いと思いますが、黒いバッグも様々です。
美しく、洗練された深みのある黒色で、上質の素材で細部まで作り込まれている。
そして、シンプル且つ迫力のあるデザイン。
そんなバッグは、どんなにシンプルでも、どこかしら見る人を引きつけるパワーがあり、
持つことで、「強さ」「優しさ」「美しさ」だけでなく、「生き方そのもののスタイル」を感じることが出来ます。
時代を超えて愛され続けるクラシック音楽のように、良いモノの価値は、持ち手のスタイルと同じくして、内に秘めた輝きを静かに表現する事が出来るのだと思います。

アンティーク好きな父が言った冒頭の一言を思い返すと、きっと・・
「時代を超えて愛され続ける上質なバッグ達を持ってもらいたい」という事。だったのかもしれません。

普段使いのカジュアルバッグは、色やデザインを楽しんで持ち、
フォーマルシーンで活躍する上質なバッグは、年を重ねながら、じっくり「エレガンス」に持ちこなしたいですね。







私がデザインする時・・そのモノに真っ正面から向かい、内面も側面も、
あらゆる角度から眺め、見詰め、瞑想し、思いを巡らせます。
バッグのデザイナーさん達もきっと・・1つのモノを創るのに、
まだ見ぬ持ち手の方々を想像しながら・・様々な角度から見詰め、形にしているはず。

モノ創りの原点は、「喜び」だと思います。
生み出されたモノが、良いものであれば、人を幸せな気持ちにしてくれる(はず)
年齢性別に関係なく、そのものに対し、一瞬でも心地良く感じてもらえれば嬉しい。
存在する事自体が喜ばれるものでなければいけないと思うのです。


時間の流れをゆったりと味わいつつ・・
その喜びを、持ち手と共有出来る事こそが、私には何よりの喜び。^^



創作屋 宮崎ゲストハウス (SOSAKUYA Miyazaki Guest House  Hiro.)

2013年10月6日日曜日

ミキアモ『こだわりの黒』

michiamo soft-kip ミキアモ ソフトキップ・フェア開催中★

店内には、30数点の柔らかなキップバッグが所狭しと並んでいます^^
上質なモノを、長く愛用したいとお考えの方必見★


孔子革は、柔らかい素材だけに、縫製技術も必要とされます。
そんなソフトキップを製作できる工房は日本に一カ所。
数人の職人により、ひとつひとつが手作業で作り込まれます。
希少な素材を、長く愛用してもらえるよう、細部まで手を抜く事はありません。


一度に30点も見る事が出来るのは、私たちでも滅多に無い事(←ホントに)
柔らかさに癒され、美しいデザインと、熟練の技を、体感してみて頂きたいです^^



*12日まで展示しています*

SOSAKUYA Miyazaki Guest House Hiro.





2013年10月5日土曜日

金木犀の香り



どこからともなく金木犀の香りが漂い始めると、秋の深まりを感じます。
そろそろ衣替えをされる方も多いのではないでしょうか?
秋冬物を出して、今夏お世話になったモノをしまう。
衣類だけでも大変な作業ですが、バッグはどうでしょう?
薄色バッグやカゴ等に、また来年の春に会いましょう・・と、しまいつつ、
スエード素材やファーものを出すイメージでしょうか。
実は、そんな風に考えられていたのは、一昔前の事。
最近は、特に季節に関係なく、様々な異素材の組み合わせを生かしたデザインや、
革とテキスタイルデザイン
(ボーダー・ドット・ストライプ・チェック・花模様等)との融合で、
遊び心たっぷりなバッグが数多く出てきています。
夏だから白、冬だから濃い色、と言う制約等もありません。
そもそも、オシャレには定義等無くて、自分を表現する事も自由なのです。
そして、自由だからこそ、ある意味「真剣」に楽しめることなのではないかと思います。
涼しくなってくると、温かな印象の物が新鮮に感じられるように、
季節で変化をもたせる事も、自由。
暖かい日や旅行先等で楽しむ為に、日常使わないような、
明るい色・柄・デザインに挑戦するのも自由。
バッグや小物は、ファッションの一部と言う考え方の他に、
気持ちを表現するものだったり、心をサポートするもの・・
そんな、モチベーションアップに欠かせないツールと考えてみてはどうでしょうか。
季節ごとの空気を肌で感じ、モノの気持ちになってみるだけで、
自分らしさをさり気なく表現出来るのだと思いますし、
意外な発見は、そう言う心の中のちょっとした変化から生まれる物かもしれません。




 








気がつけば10月・・
ここ数日は、ぐっと涼しくなってきました。
オシャレは勿論、読書・スポーツ、そして食欲(の秋・・・笑)
何を楽しむにも良い季節ですね〜



私にとって、秋と言えば金木犀の香り。
実家の玄関先に金木犀の木があって、
窓を開ければ部屋いっぱいに香りが広がり、
殺風景な部屋にたくさんの花が咲いたようだった。
有り難いはずなのに当たり前だった母の手料理、
忙しい合間に庭仕事を始めた寡黙な父の背中、
隣で飼ってた犬の鳴き声や、
直ぐそばにある小学校のチャイムの音・・等々。
金木犀の香りは、思い出の全てかもしれないな。