2013年11月5日火曜日

モノへの敬意

 
 
子供の小さい頃の絵や写真、初めてのお給料で買ったもの、
思い出深いモノは、何らかの形で側に置いておきたいものです。
長く使って頂けるとは言え、革製品(革)は生き物なので、
使えなくなる「その時」はやってきます。
オイル切れで表面が劣化し、ひび割れなどがみられると、
残念ですが・・バッグとしては使うことが難しくなります。
ですが、そんな時でも、金具であったり、ベルトのどこか一部分であったりと、
まだまだ使えそうな「呼吸感」が残っている箇所がある場合には、
思いきって、別のモノに形を変えてあげるのも良いかもしれません。
使えそうな部位が革ベルトだった場合、適当な長さにカットし、
キリ等で穴を開け、細い革ひもを通すだけで、簡易ストラップ・
キーホルダー・ネックレス等にリメイク出来ます。
薄く平らな部分である場合は、サイズを測ってカットし、
額縁の縁に、接着剤で貼付けてあげるだけで、オシャレなインテリアとして生まれ変わります。

私がこの仕事を始めた頃のお客さまが
「仕事を初めて最初にここで買ったバッグなんです」
そう言って、出張の途中に立ち寄ってくださり、10年ほど愛用したバッグを買い替え、
前のバッグを手放す事になりました。
見ると、革ベルトの一部分だけは、かすかに呼吸しています。
「この部分だけ切ってもらえますか?新しい鞄に入れて初心を忘れないようにしたいんです」
私はその言葉に感銘を受け、呼吸していた部分だけをカットし、簡単なキーホルダーに作り替えました。

新しいモノは次々に出てきます。定番も新作も、溢れるほど作られています。
大事に使うことは勿論、それまで使ってきたモノ達に対する敬意も込めて、
新しいものも大事にすることが出来れば、それまで生きたバッグ達は幸せなのだと思います。





大事に作られたモノを丁寧に選び、大事に使って下さる方に手渡す。
この仕事の喜びは、その時もそうなのですけど、再開の時が一番嬉しいのです。
上の画像は、数年前のもの。
私が着けてるブレスは、このお客さまと同じ時期に買った同じバッグの金具で作った。
劣化した革部分は、どうしようもなく・・・処分してしまったけれど、
いろんな場所に一緒に行ったバッグだったから、そうする事がとても残念でした。
小物に作り替える。
と言うと、難しそう〜と思われる方も多いかもしれませんが、超簡単!
例えば・・・
こんな端切れたち。
(使えなくなったバッグのポケット部分・ 長過ぎて切った革ベルトの余り・着なくなった洋服の可愛らしいボタンなどなど)

少し手を加えてあげるだけで、こうなります↓

ここだけの話・・・
記事を書いてから作ったので、全部で一時間弱くらいで出来ました!笑
アウトドアのカラナビは革を巻き付け、接着剤でくっつけるだけで可愛らしく大変身!
なんでも捨ててしまうのは簡単だけど、
少しの工夫で「端切れ」が「お気に入り」のモノになるって良いでしょ?


是非挑戦してみて下さいね★



SOSAKUYA Miyazaki Guest House  Hiro.